理事長あいさつ

「人」を「生かし(活かし)きる」ために

社会福祉法人樅山会理事長・医師・樅山診療所院長
圷 正紀

父は医師でした。旭村、今の茨城県鉾田市旭地区で地域医療を担い、往診をよくしていました。私が登校するときには寝ていて、下校してくるとどこかに往診に行っている、7・8軒の往診が終わって帰宅するのは深夜ですから、父と顔を合わせるのは週に1・2回だったのを覚えています。

長じて私も医師になり、父と同じように往診をし、そこで目の当たりにした介護に悩む地域の方々の姿が樅山会設立のきっかけとなりました。

みなさん一番困っていたのはお風呂でした。そのころの地域には大家族が多く、高齢者のお世話はたいがい何とかなっていたのです。けれども、お風呂に入れるのは無理ですよね。現在の施設でも機械浴の設備が必要なくらいですから。

そこで、デイサービスで入浴を提供することにし、当時の制度では特別養護老人ホームを開設しないとデイサービスが提供できなかったことから「樅の木荘」をつくった、これが樅山会のルーツです。その後、利用者さんの様々なニーズに沿って、私たちは様々な事業・施設を展開してきました。「樅の木荘」ができたころには、まだ高齢者施設というと「姥捨て山」的な偏見があり「そういうのの世話には絶対ならない」という人も多くいました。今はみなさんがニーズに合わせたサービスをごく自然に利用し、喜んでもらえるのですから、時代が大きく変わったと実感しています。

今、地域ニーズで最も大きいのは、これは日本各地でそうでしょうが、介護予防だと思います。そのニーズに応えるため、私たちは従来の事業に加えてコミュニティの拠点づくりに力を入れています。これは、介護予防のため、人々が活き活きと生きていくためにはコミュニケーション、人との出会いが必要だと考えるからです。

私たちの仕事は、ただ延命をするのではなくて「生かし(活かし)きる」こと。そのことを一番大切にして、様々な方々の多様なニーズに細かく応えていくように気を配ると同時に、利用者さんと直接触れ合う職員を育てていくことが使命です。人をお世話する仕事ですから、思いやりや共感力・深い人間性を持った職員がいて初めて質の高い仕事が可能になります。

地域の方々の姿をきっかけに生まれた樅山会は、これからも「共生」「共感」「共創」の理念の下、地域に安心を提供し、より地域に貢献していこうと考えています。

社会福祉法人樅山会理事長
医師・樅山診療所院長
圷 正紀

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